「賃貸名人の雛形編集が使いにくい」
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  • 2023/07/11
    「賃貸名人の雛形編集が使いにくい」

    掴みで一見ネガティブな文言をそのままタイトルにしてみました。この「賃貸名人の雛形編集が使いにくい」という文言はユーザー様からいただくご意見です。しかしこれには理由があります。この投稿では『賃貸名人』の「雛形編集」機能についてコンセプトを含めてお伝えすることを目的とします。

     

    さて、以下は「賃貸名人 FAQ」からの引用です。

     

    http://sv10.dangonet.co.jp/faq/shosai.asp?faq_no=15067

     

    Q)『賃貸名人』の帳票雛形機能が使いにくい。

    『賃貸名人』の雛形編集や雛型共有が難解です。とりわけ、ある物件で作成した契約書の雛形部分が他の物件に反映してしまうので不便に思えます。

     

    A)『賃貸名人』の雛形機能は定期的かつ多量に出力する帳票の文言を自社に相応しい体裁に変更できるように、またこの変更を自社雛型として簡単にご利用いただけるようにデザインされています。

     

    他方、ご質問のように「賃貸借契約書」を家主毎・物件毎にテンプレートを切り替えてご利用いただく場合には雛型のコンセプトと構造をご理解いただいた上で、不可避な部分についてのみ「雛型保存/雛型読込」機能をご利用いただかないとご不便に感じられるかも知れません。(以下略)


     



    (1)『賃貸名人』の得手・不得手 

    賃貸名人の書面は、速やかに、または一括で印字するような業務で便利にご活用いただけるように作られています。このような業務においてはクラウド型の賃貸管理システムで主流のExcelやWord形式での帳票出力よりも簡単に目的の書面を発行できます。
     

     

    反対に、データ部分ではなく体裁部分(例:約款等)についてまで毎回内容が異なるような契約書の発行は得意ではありません。加えて罫線や打ち消し線のような細部体裁に拘ることもできません。『賃貸名人』の“雛形編集機能”は前記のように「簡単かつ大量印字」が得意で、「詳細かつ拘った書面作成」には向いていません。

     


     



    (2)雛型を極力統一することの意義と課題 

    本来帳票はセキュリティ及びガバナンス的に雛型をなるべく統一する方が好ましいはずです。


    例えば、家賃の「請求書」の雛形を編集し「お振込み手数料は入居者様がご負担ください。」というコメントを入れたとします。印刷する担当によってこのコメントの文言が異なっていたり、先月と今月で体裁が少しでも異なっていたりしたら不適切だし、場合によってはクレームに至るかも知れません。句読点が一つ揺らぐだけでも利用者は不安になります。もしかしてこれは手打ちで作られているのではないか?だとしたら金額も間違っている可能性があるのではないか?と。

     

    しかし物件種別(事業用 or 居住用等)や入居者種別(法人 or 個人)でいくつかのパターン分けを要することもありますので、『賃貸名人』では雛型を編集しこれを切り替えることができるようになっています。これが雛型編集機能です。しかし、これはあくまでもパターン化であって、個別の案件毎に都度雛型を編集するような運用方法には適しません。

     

    『賃貸名人』で1,000回分の契約書を発行し、保存した雛形のパターン数も1,000個を数え、雛形保存数の上限に達してしまったユーザー様がいらっしゃいました。(東京都のお客様/2018)

    申し訳ございませんが、これは『賃貸名人』のコンセプトとは逸脱したご利用方法です。

     

    だとしたら「雛型が使いにくい」というご意見をくださるお客様はコンセプトを違えた使い方をしているだけで、つまりユーザー様が悪いのか?
    そうではありません。先ほども挙げた事例である「賃貸借契約書」については、管理移管による過去契約の踏襲や契約主体の一方であるオーナーの意向が影響するので、管理会社様が自社で定義した数パターンの雛型に絞るということが実務上困難だったりします。このようにコンセプトと実務実態が解離するまさに契約書の発行において「雛型編集が使いにくい」というご意見に至ってしまうのです。


     



    (3)逃げ道 

    さて、この問題を解決するために雛型から一回フェードアウトして『賃貸名人』の帳票全体の構成を示します。懸案の「雛型」は帳票の構成全体のうちの一部で、次の図におけるピンク色の点線部分内がこれに該当します。

     

     

    ただ、雛型から離れてみると『賃貸名人』には帳票をExcel形式で出力する機能があります。契約書を個別の案件毎に内容を変えて発行するようなユーザー様はこのExcel帳票出力機能をご利用いただくと便利です。

     


    何しろ、クラウド型の賃貸管理システムにおいては、そもそも帳票と言えば“Excel形式”(または“Word形式”)のみということもよくあります。

     

     

    「印刷」というある意味アナログな処理においては本来はローカル版の賃貸管理システムの方が相性が良いのですが、その中の一つの機能である「雛型編集機能が契約書に使いにくい」というだけで『賃貸名人』に×印が付いてしまうのは残念に思います。なぜって、Excelで良いのであればそれは『賃貸名人』にも実装されているからです。

     

    Excel形式で出力された契約書は、『賃貸名人』の[フォルダ]機能と連携し、各入居者毎に全てのファイルが自動保存されます。

     

    例えば、大手の仲介会社様の法務部から契約書の直しが入ったというような事例をうかがうことがあります。そのような場合でも[フォルダ]には時系列で修正前・1回目修正後・2回目修正後・・・とExcelファイルが蓄積していきます。

     

     

     

    Posted By Tanaka(tanaka@dangonet.co.jp)