賃貸管理システム『賃貸名人』は管理戸数課金制ではありません。
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  • 2024/10/07
    賃貸管理システム『賃貸名人』は管理戸数課金制ではありません。

    管理戸数によって利用料金が増加する賃貸管理システムがあります。あります、というより殆どの賃貸管理システムのメーカーはそのような料金プランを設けております。


    『賃貸名人』は管理戸数(登録データ件数)によらず料金が一定であり次のような料金プランではありませんが、ひとまず管理戸数課金制について触れてみます。

    管理戸数課金制は、自社が管理する物件の戸数によってシステムの月額利用料金がアップするというものです。料金アップは1戸単位ではなく、数百戸単位で段階的に上がっていくことが多いようです。

    課金プラン


    管理戸数制の料金プランには開業直後で管理戸数が少ない時期に比較的安価に賃貸管理システムを利用できるという利用者側のメリットがあります。


    一方、運営側の目線で言えば、顧客の事業が成長すると共に客単価がアップするというメリットがあります。システムの価値を感じていただきながら徐々に利用料金がアップするので、負担感を和らげつつ結果的に長くシステムをご利用いただけるという期待もあります。
     

    ストーリー上は前記の通りですが、ITというものは本来スケーリングが容易なので、顧客の登録データが倍になったからと言ってシステムリソースのコストが倍になるようなことはありません。つまり管理戸数の多寡で運営コストが決定する訳ではありません。すると「何を顧客の懐を探っているんだ!?うちがどれだけ管理しているかなんてお前らの知ったことか!!」と思われるかも知れません。
     



     

    しかしながら管理戸数による料金プランはある意味素直な方式です。例えば、賃料相場は立地や面積によって異なります。それでも管理戸数でのみ月額利用料金が決まります。登録した物件が生み出す収益とシステム利用料は実際には比例していません。だから顧客の懐を探るにしては管理戸数課金制は設定が雑すぎます。


    もし、登録物件の取扱い金額(登録データの賃料)によって利用料金が変動する賃貸管理システムが登場したら、これは“やっている”と思ってください。冗談のようですが、既にECサイトやホテル検索サイト等の裏側はそのようになっており、システムの運営会社(胴元)はシステム利用者の取引額に応じて料金を徴収します。
     

    ところで、登録物件が住宅ではなく駐車場やコンテナの場合であったらどうでしょうか。極論をぶつければ月額1,000円程度の駐輪場は管理戸数課金制の賃貸管理システムに登録すべきでしょうか。
     


    駐輪場のように月額賃料が安い物件は自ずと管理委託料も大きな金額になりませんから、場合によってはシステム利用料と管理収益の逆転が起こることも考えられます。住宅であったとしても、家主様とのお付き合いで毎月の管理料委託料が発生しない物件があれば同じ状況に該当します。この事例はネットスラングで言うところのポルナレフ現象が発生する懸念を示しています。「ありのまま起こった事を話すぜ。俺は金を稼いだのに逆に金が減っていた。」
     

    管理戸数課金制の賃貸管理システムのご導入をご検討中であるならば、恐ろしいものの片鱗を味わう前にこのあたりのことはメーカーの担当者にお尋ねください。
     

    また、管理戸数課金制のシステムでは“登録データの上限を設けている”ことがあります。このようなシステムの利用者は、この上限に達しないよう(達すると料金プランが上がってしまうから)、不要になったデータ、即ち管理終了物件を削除してしまったりします。
     

    確かに管理が終了した物件自体のデータを保持する利点はありません。しかしながらリレーショナルデータベースにおいてはマスターデータを削除したら紐づくトランザクションデータも削除されることが通常です。つまり、管理終了物件を削除するとそれに連なる自社の活動履歴データも消えてしまいます


    管理終了物件の削除を行うと、例えば、管理部門の特定の従業員が2024年に何件のクレーム対応を行ったか、自社が2024年に何件の原状回復工事に携わったか、このような個人成績や事業実績に関する統計までもが破壊されてしまいます。


     

    前置きが長くなりましたが、ここで賃貸名人に話を戻します。
    明日10月8日にリリース予定の『賃貸名人6.1』で「管理終了機能」が実装されます。実はこの事と前記の料金プランについては関連しています。
     

    賃貸名人は管理戸数課金制ではありませんので、仮に台数が多い駅前駐輪場であっても月額料金を気にせずにガンガン登録していただけます。
    また、管理終了物件を削除する必要はありません。過去の対応履歴や自社の業績をずっと保持することができます。
     

    賃貸名人では登録データに上限を設けておりません。正確には SQL Server の最大データベース容量が上限ですが、これは現実的に無制限と言えます。従って管理が終了した物件を敢えて消す必要はありません。ただ、それはメリットでありながらも登録データの可用性が低下するというマイナス面もあります。つまり、料金プラン的には消す必要が無いものの、残しておくと登録データがゴチャゴチャになってしまうというデメリットです。
     

    そこで今回実装した「管理終了機能」を用いれば簡単に管理終了物件を分類して保持することができます。またお邪魔であれば初期値(画面を開いたファーストビュー)で管理終了物件を非表示にすることも可能です。
     


    今回は管理終了機能の実装背景を賃貸管理システムの料金プランに絡めながら投稿してみました。管理終了機能の利用方法については次のYoutube動画をご覧ください。

    https://youtu.be/4C8V9PUvFZw



     

    Posted By Tanaka(tanaka@dangonet.co.jp