『賃貸名人』『リフォーム名人』のインボイス対応予定
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  • 2023/06/05
    『賃貸名人』『リフォーム名人』のインボイス対応予定

    最近、『賃貸名人』等の弊社名人シリーズソフトウェアのインボイス制度対応についてお問合せをいただくことがよくあります。そこで現時点(2023年5月末)でのインボイス制度への対応予定を投稿してみます。

    昨年2022年末頃にユーザー様に弊社ソフトウェアのインボイス制度への対応予定をアナウンスいたしましたが、今年2023年3月にインボイス制度への対応スケジュールを改訂しました。次の図が現時点(2023年05月末)における最新のスケジュールです。




    ■『賃貸名人』のインボイス対応計画

    (2022/12)『賃貸名人』第1段アップデート <済み>
    このバージョンでは家主にインボイス番号登録欄が実装された“だけ”です。

    昨年時点で既にユーザー様からインボイス制度への対応予定を尋ねられることが多くありました。第1段はこれに応えて「ダンゴネットはインボイス制度に対応します!」という決意を実装で示すためのアップデートでした。
    「なぜ家主だけ?自社のインボイス番号は登録できないの?」「この家主インボイス番号は何に使うの?」とユーザー様に更なるご不安を与えてしまったかも知れませんが、上記のように決意表明を目的とした形式だけのアップデートという事をご理解ください。


    (2023/03)インボイス制度対応第2弾リリース見送り <中止>
    今年3月にインボイス制度に対応した「賃貸借契約書」を実装する予定でしたがリリースを中止いたしました。

    なぜなら当初の予想に反して今春時点で各業界団体がインボイス制度に対応した賃貸借契約書を公開しなかったためです。もし弊社が昨年時点でのアナウンスに拘って予定通りに「賃貸借契約書」をインボイス対応としてアップデートしていたとしたら、この様式はダンゴネットの独自仕様になってしまうことろでした。


    (2023/05)『賃貸名人』第3弾のアップデート内容決定 <済み>
    先月、インボイス制度対応第3弾のアップデート内容が決定しました。加えて、この仕様をカスタマイズ版『賃貸名人』に移植する改修費用・納期のお見積りを開始いたしました。しかしながら、このアップデート内容の詳細をメールマガジンや本ブログでアナウンスすることはいたしません。その理由は次項に示します。


    (2023/09)インボイス制度対応第3弾リリース <予定>
    このバージョンで『賃貸名人』からインボイス制度の要件を満たした請求書等を発行できるようになる予定です。

    ところで、弊社に限らず他社賃貸管理システムのメーカーにおいても、複数の段階に分けてインボイス制度への対応を計画しているようです。大体のメーカーは現時点ではインボイス制度対応の詳細な内容は公表せず、しかしながらインボイス制度に対応することはアナウンスしています。このように各社お互いの動向に目を配りながらアップデートを重ねていく様は、さながらポーカーのレイズのようでもあります。
     


    実のところ不動産業界はインボイス制度において特にイレギュラーが発生することが予想されている業種です。とある業界団体様によると “全ての業種の中で不動産業がもっとも混乱するだろう。” という旨の事さえ仰っていました。例えば、共有オーナーのうちの一方がインボイス適格事業者で、もう一方が適格事業者に該当しないとき、賃借人は適格事業者オーナーの持ち分に応じた消費税の仕入控除を受けることができるのでしょうか。また、このようなレアケースに各賃貸管理システムが対応するでしょうか。詳細は割愛しますが複数月滞納している賃借人に対する「督促状」の運用や、上下水が分離した水道料金の検針請求においてもイレギュラーの発生を懸念しています。

    どの賃貸管理システムのメーカーも全てのレアケースを網羅することはできません。仮に独断先行した法解釈を実装してみても、制度開始後に業界の標準が異なった解釈で定まってしまったらその開発工数が全て無駄になります。

    このような背景から慎重に、ポーカーのレイズのように複数回のアップデートを行っているのでしょう。弊社においても当初は3段階のアップデート計画を立てておりましたが前項の理由で2段階目をスキップいたしました。つまり計画が流動的なのです。

    また、弊社に限らず各賃貸管理システムのメーカーは、10月に制度が開始された後にもインボイス制度への対応アップデートを重ねる可能性が多分にあります。これは、制度が施行されて実際の運用が始まってから業界の課題が浮き彫りになり、これを解決するための業界標準が後追いで定まるだろうという予測に基づきます。従って、上で示したスケジュール図には10月以降の第4弾が加筆されそうです。



    ■『リフォーム名人』のインボイス対応計画

    『リフォーム名人』の様式はほとんどインボイス制度の要件を満たしており、また工事業界(または工事斡旋業界)はそもそも別業種同様の典型的な仕入と販売であることから不動産業界のようなイレギュラーへの不安がありません。その為、昨年時点からアップデート内容が決定しております。




    Posted By Tanaka(tanaka@dangonet.co.jp